●兄弟姉妹だからこそ喧嘩をする
母親にしてみれば、自分が産んだ子供たちはみんな仲良くして欲しいと思う。なぜなら自分が妊娠し出産したために、どんな子供でもあっても愛おしいからだ。しかし子供たちがそういう母親の親心を解るなんてことは有り得ないのだ。子供たちが集まれば喧嘩が始まることになるのだ。
哺乳動物はどの動物もみんな仲良くして成長するなんてことをしない。どの動物も「喧嘩による成長」ということをやってくるのである。子供同士で喧嘩をし合い、それで自分の能力を向上させていくのである。だから大きくなって親元から離れた時、それなりの実力を持っているから、親なしでも生きて行くことができるようになるのである。
しかしこの現実は母親にとっては心が痛い。母親は子供たちよりも遥かに高い精神レベルにいるから、喧嘩せずとも全員が利益を得る方法を知っているのである。母親は子供たちにもそうして欲しいと思うが、精神レベルの低い子供たちはそんなことせず、利己的に振るまって自分だけが利益を得ようとし、それで喧嘩になるのだ。
母親が育児をする際に、この兄弟喧嘩による精神的負担を解消するためには、「陰陽バランスの法則」を知っておくといい。子供たちは皆平等ではなく、生まれた順に「陰陽」があり、それを踏まえて育児をすると、兄弟喧嘩を最小限に抑えることができるのだ。
まず第一子が「陽」である。第二子が「陰」。第三子が「陽」。こうやって子供たちには生まれた順番に陰陽が付き、それによって子供たちの性格が或る程度決定してくるのである。だから第一子がやっていることを第二子に押しつけてはならないし、第一子は第一子、第二子は第二子と、それぞれの性格を認めてあげなければならないのだ。
人間には男女という性別の違いがあるから、その上で「陰陽バランスの法則」をより具体的に述べていかなければならないことになる。
●兄と弟
兄と弟の場合、この兄弟喧嘩は壮絶なものとなる。第一子長男は自分が生まれた瞬間から母親から思いっきり愛されることになる。なんせ母親としては初めての赤ちゃんであり、しかも家督を相続する男の子であるので、その愛情の注ぎ方は尋常ではないのだ。
第一子長男は自分の母親が自分のことを最優先してくれるのは当たり前のことだと思って成長してくる。そこに第二子次男が生まれて来るのである。母親は次男が赤ちゃんゆえに、次男に愛情を注ぎ始めるのだが、そうなると長男としては面白くないのだ。
次男が一人歩きできるようになると、長男と次男は喧嘩の日々を送るようになってしまうのである。この兄弟喧嘩は長男と次男だけに原因があるのではないのだ。母親にも原因があるのであって、母親が次男を産んだ後、長男にも愛情を注ぎ、出来ることなら他の人に長男の世話を任せておけば、こんなことにはならなかったのである。
男の子にはスポーツをやらせろ。そんなに激しいスポーツは要らないが、スポーツをやらせることで、有り余ったエネルギーが兄弟喧嘩の方に行かないようにしてしまえばいいのだ。自分に体力がついてくると、男の子は余り喧嘩をしなくなるものなのである。
母親はそれと同時に、兄と弟とでは性格がまるで違うということを理解しておかなければならない。兄は長男ゆえに責任感が強い。弟は兄と違って孤独癖があるのである。だから次男に向かって「お兄ちゃんを見習いなさい」というのは禁句なのであって、逆に長男に向かって「あなた、お兄ちゃんなんでしょ」というのは禁句なのだ。
母親がこの禁句を言ってしまうと、長男も次男も大爆発を起こして来るのである。
●姉と妹
姉と妹は普段仲がいいのに、些細なことで喧嘩をし始める。姉は妹が1歳辺りになるまで、自分のオママゴトの道具として妹を使って来たという経歴がある。そのため姉は妹に対して、常に自分の思い通りに動いて欲しいという意識を持っているのだ。
それに対して妹の方は、自分が母親から愛されるだけでなく、姉から愛されるので、自分が母親と喧嘩しても姉が庇ってくれるし、自分が姉と喧嘩しても母親が庇ってくれると、双方に保険をかけながら育って来る。このため自分にとって不利益なことが発生すると、母親だろうが姉だろうが喧嘩してくることになるのだ。
母親にとって娘たちの喧嘩が悩ましいのは、二人とも女の子のゆえ、言語能力が達者で、口喧嘩を延々と遣り続けて来るのである。女の子は口喧嘩をすることで言語能力を発達させているともいえるので、口喧嘩をやっているのなら、放置しておいていいのだ。
女の子には女らしさを味わうことのできる芸事をさせることだ。自宅では女らしくできないからこそ、喧嘩をすることでその不満を発散させているとも言えるのである。女の子は自分が女として生まれたことの幸せに気付くと、そう滅多なことでは喧嘩をしなくなるのだ。
女同士だからといって、母親が無理に仲良くさせようとすると、非常にねちっこい喧嘩をしてくるので要注意なのである。姉には姉なりの言い分がある。妹には妹なりの言い分がある。その双方の意見を聞くのが母親の役目なのに、喧嘩を嫌うために無理矢理に仲良くさせようとしても、姉妹は絶対に母親の言うことを聞かなくなってしまうのだ。
●兄と妹
兄と妹の組み合わせは意外と仲が良い。世間では「一姫二太郎」と言われるが、これは母親の立場に立って育児がし易いことだけなのであって、本当は先に息子を生み、次に娘を産んだ方が、兄と妹は余り喧嘩をしないので、育児がし易くなるのだ。
母親は息子と娘を平等に愛することはない。息子の方にベタ惚れになってしまうのである。男子は自分が成長するために母親から母性愛を大量に必要とするので、いつまでも母親に甘えて来るのだ。これは妹が生まれて来ても余り変わらないのだ。このため兄は結構ズボラである。
妹の方が自分が母親に育てられながらも、母親の関心が兄の方に行っているので、自分が必要とする母性愛を貰うことができれば、後は自分で自由に動いてしまうのだ。このため妹の方が兄よりも遥かにしっかりとしているのだ。第二子長女は機転の利く女性として育って来る。
兄と妹のバランスが崩れるのは、下にもう1人子供が出来た時である。母親はどうしても末っ子の世話に追われてしまう。そうなると兄と妹が仲良くやってくれればいいのだが、もしも母親が長男と長女に対して母性愛の注ぎ方が不足してしまうと、長男はダメ人間になり、長女の方は手の付けられないほど厄介な人物になってしまうのである。
だから子供が3人できると、絶対に父親の手が必要となってくるのだ。子供が1人や2人なら女手1つでも育てることができる。しかし子供が3人になってしまうと、もう絶対に母親だけで育児をすることはできないのである。母親が第一子を産んでから、第三子が生まれるまでの間に、夫婦の愛の形をしっかりと形成していないと、長男と長女から手痛い反撃を受けることになってしまうのである。
●姉と弟
姉と弟の組み合わせは、母親が育て方を間違ってしまうと大変なことになる。まず姉は第一子ゆえに母親から大量の愛情が注がれることになる。なんせ母親は初めての赤ちゃんなので、なんでも至れり尽くせりであるのだ。そこに弟が生まれて来ると、母親は初めての男の子ゆえに今度はこっちの方にメロメロになってしまうのである。
姉にしては弟に母親を奪われたと思ってしまい、弟に激しい嫉妬をするようになるのだ。弟の方は自分こそが家督相続権者であるので、姉如きがなんで俺よりも高い地位にいるのかと思ってしまうようになるのだ。こうなると何かの切っ掛けで大喧嘩になってしまい、収拾が着かなくなってしまうのである。
厄介なのは、父親というものは長女を可愛がってしまうことだ。母親が息子を可愛がるように、父親も異性である娘を可愛がっただけのことなのだが、これが弟にして見れば気に食わないのである。これではこの家の跡取りとしての自分の面子が丸潰れになってしまうからだ。
第一子長女に続いて、第二子長男を産んだ場合、祖父母の力を借りるようにすることだ。まずは長女を祖父母に預けて、長女が下手に嫉妬しないようにさせるのである。その間、長男は母親にべったりなので、母親から母性愛を大量に貰える機会をきちんと確保しておくべきなのである。
姉の方が先に生まれ、しかも女性ゆえに成長スピードが速い。だから長女への教育を最優先し、長女を早目にこの家から追い出してしまうべきなのである。父親がいつまでも長女を手元に置いておくと、息子の方はそれを許さず、親子間で激しいバトルが繰り広げられ、大概、父親が死ぬことになるのだ。
●じゃあ、母親はどうすればいいのか?
母親が我が子たちの喧嘩に悩むのは、「四の結界」の中で起こっているということを絶対に忘れてはならない。「四の結界」はエネルギーが内側に向かってしまうので、どうしても家庭内で起こることに心を悩ませてしまうものなのである。
じゃあ、母親はどうすればいいのかというと、子供たちに「公平」に接することだ。子供の喧嘩は双方にそれなりの言い分があり、親の立場から見ればそれは下らないことであっても、子供たちにしてみれば大ごとなのである。それなのに母親が子供たちの言い分を無視してしまっては、余計に喧嘩が悪化していってしまうのである。
それと同時に「秩序」を重んじることだ。父系家族では、父親が頂点に君臨しており、その次に母親がいて家庭内の実権を全て握り、その下に第一子、第二子と続くのである。子供たちは生まれた順番で秩序を付けるべきであり、その秩序を如何なることがあっても崩さないことだ。
自分たち家族だけで自己完結してしまわないことも必要なことだ。時には夫の実家に遊びに行ったり、妻の実家に遊びに行ったりすればいいのだ。子供たちは両親の双方の祖父母たちに会うことで、世の中には様々な人たちがいることを知り、自然と喧嘩する回数が減少していくようになるのだ。
そしれトドメはなんといっても、子供を3人以上産むことだ。「四の結界」を突破するために、それしかないのだ。「四の結界」はいずれ「死の結界」へと変わっていくので、そうなれば今度は誰かが死ぬことになるのである。誰かが死なないと「死の結界」が崩れないから、「死の結界」の中にいる人たちは平気で誰かを殺してしまうようになるのだ。
大体、子供たちが3人もいれば、母親の方は我が子たちの喧嘩にそれほど気にならなくなるものなのである。その喧嘩は成長過程に於いて必要なものだと解ったからこそ、その喧嘩が子供の喧嘩のレベルである内は放置しておくものなのである。そうやって子供たちは母親の庇護によってスクスクと成長していくのである。
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