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連戦連敗の弁

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●敗戦しまくり

 俺は2年前から小説を書き始め、去年の2月から様々な出版社に自分の原稿を送っているのだが、なんと連戦連敗しまくりである。俺としては新人賞受賞レベルに到達していると思って出したのだが、出版社の方は全く評価してこないのだ。

 現在までの結果は、

 新人賞で3連敗

 持ち込みで1敗

である。新人賞では第一次選考すら突破できていない。まさにトホホの状態で、その結果を知らされると、ガックリと落ち込んでしまった。なんせ新人賞の方には俺の虎の子とも言える作品を1つ出したのに、それすらも予選落ちなのである。さすがにショックで1週間鬱状態にあった。

 実を言うと、その虎の子の作品には絶対的な自信があった。俺自身、その作品を楽しみながら書いたし、その作品を世間の人々が読んでも面白いと思える物だったからだ。レベル的にも新人賞受賞のレベルを遥かに超えていた物だったのである。それなのに結果は予選落ちである。

 連戦連敗がこうも続くと、俺は作戦を変更することに決めざるを得なくなってしまった。このまま負け続けても時間の無駄だし、それに経済的にだってつらくなってしまうのだ。小説を書くにはそれなりの労力や資金や時間が必要であり、しかも長編小説を書くとなると、少なくとも3ヶ月間はそれにつっきりになるので、小説が出版されない限り、こっちがやっていけなくなってしまうのだ。

  ただ、俺の作品が落選したとしても、

「新人賞を受賞した作品より、俺の作品の方が面白い!」

という自信だけは崩れていない。俺は菊池寛が言った「小説は面白くなければ売れない」をモットーにしているので、面白くもない作品が新人賞を取ったとしても、俺はビクともしないのだ。

 俺が連戦連敗した中で得た教訓は、

「出版社という物は大きくなればなるほど、詰まらない作品に新人賞を与えている」

ということだ。となれば、俺の面白い作品を出してくれるのなら小さな出版社でも構わないのであって、とにかく「読者たちが面白いと思える小説を出したい!」と本気で思っている出版社を見つけて出した方がいいのだ。

●敗戦の原因

①出版社選びを間違えていた

 敗戦の原因はなんと言っても「出版社選びを間違えていた」ということに尽きる。俺は講談社の出版物を多く買っていたので、講談社に原稿を送ったのだが、原稿を送った後に我が家が引越しをした際、俺は講談社が出した小説を殆ど買っていないという事実が判明してしまった。確かに講談社が出した小説を買っていた時期もあった。しかし俺が中学校を卒業する頃には講談社の小説を卒業していたのである。

 俺が小説に関して好んでいたのは、「新潮社」であり、「文藝春秋社」であった。これらの出版社は創業者が本気で文学をやろうとした人たちなのであって、だから俺がその出版社の出した小説を読んでも、それを評価できたのである。それゆえまずはこれらの出版社を狙うべきなのである。

 もしも他の出版社を狙うのなら、これに準じた物にすべきなのであって、文学に特化した出版社でないと、俺の作品は評価して貰えないのだ。総合出版社だと文学部門があっても全然特化されていないので、それで俺の作品が落選ということになってしまうのである。

②下読み委員対策をしていなかった

 もう1つの敗戦の原因は「下読み委員対策をしてこなかった」ということなのである。俺は新人賞を取るために最終選考のことだけを考えていたので、下読み委員対策をしていなかった。下読み委員にどういう人たちがなって、何をやっているのか、全然理解していなかったのである。

 俺が連戦連敗して解ったことは、「出版社は大きくなればなるほど、下読みが雑になる」ということであった。大きな出版社は資金力に恵まれているから下読みにも力を入れるのではないかと思ってしまうものだが、事実は違うのである。大きな出版社だと投稿作品を下読み委員に任せっ放しで、それで出来のいい作品が上に上がってこないのだ。

 小さな出版社だと資金不足のために、編集長が直接に見るか、副編集長が新人賞担当の役職に就いて専属的になって見るということをやっている。これだと下読み委員を使っても、出来のいい作品を見落とすことがなくなるのである。だから小さな出版社から突然として面白い作品が出まくることになるのである。

③決戦を挑みつつも主力温存

 俺は1つの作品だけで勝負していない。大事なことは「確率論」なのであって、新人賞に自分の作品を出しても、常に予備の作品を用意しているのである。80対20の法則を使えば、勝率は最大で3割、最低で1割、通常は2割なのであって、必ずしも常勝する必要性はないのだ。

 しかし投稿しても必ず次の作品を用意しているということは、決戦を挑みながらも主力を温存しているようなもので、それで新人賞を獲得できるパワーが不足していたのかもしれない。こうなってくると選択肢は2つしかなく、1つは本気になって決戦を挑むこと、もう1つは物量戦に持ち込み、戦略的に押し切って行くこと、この2つしかないのだ。

●かくなる上は

 俺は去年の3月に「対芥川賞用決戦小説」を作ったのだが、今回、この対芥川賞用決戦小説を投入することに決めた。これは俺が作家デビューした後に文藝春秋社から出そうと思っていたのだが、戦局は思いっきり不利になっているので、これを使用することで突破口を開こうと思う。

 対芥川賞用決戦小説を出す先は「河出書房新社」である。実を言うと、この小説にはほんの少しだけ河出書房新社と関わりのあるシーンが出て来るので、それで河出書房新社を選んだのである。この作品は名作であるので、河出書房新社にそれを理解する能力があるのかは、本当にギャンブルにならざるを得ない。

 河出書房新社は小説に対して「新しいタイプの小説」を求めている。河出書房新社は新しいタイプの小説を出して来るからこそ、時折ヒット作を飛ばして来る。しかし新しいタイプの小説を追い求めると、逆に小説の基本が疎かになるので、それでコンスタントに出来のいい小説を出し続けることができないのである。

 対芥川賞用決戦小説は本当に芥川賞狙いの作品なので、これが新人賞を取ろうが取るまいが、これで芥川賞を取れなかったら、俺は純文学には手を出さない。俺自身、この作品は今までの芥川賞受賞作品よりも遥かに凄いと思っているが、これだけは運だから仕様がない。

 対芥川賞用決戦小説を投入しても、今の俺には予備として長編小説が1つあり、それに現在、特大長編小説を執筆中である。今回も主力温存に見えてしまうのだが、今回は本気である。本気になって決戦に挑むことにする。尤も結果が出る頃には特大長編小説も完成しているだろう筈なので、新人賞を受賞できれば、その後の展開が非常に楽になるのだ。

●乱れ撃ち

 俺は決戦を挑むと共に、物量戦も展開することにした。自分の作品を大量に作って投稿していけば、その中のどれかは第一次選考を突破できることであろう。とにかく第一次選考を突破しないと、本当にこの出版社に出していいのか、その確信を持つことができないのだ。 

 80対20の法則を使えば、10作品作ればその内の2作品は非常に出来のいい物なのである。だから数を多く作っていけば、自然とレベルの高い作品を作ることができ、それを使って勝負すれば新人賞を取ることができるようになるのである。

 出版してくれそうな所に原稿を送りまくるということも大事なことだ。必ずしもメジャー出版社でなくてもいいのである。マイナーな出版社であっても、本気になってやっているのなら、そこから自分の作品を出す価値はあるのだ。今の俺としては年内に俺の作品を出して貰うなら、どこでもいいという感じなのだ。

 俺の執筆量は日産10枚程度なので、月産300枚である。非常に解り易い数値なので、これを基準に計算していけば、年間3650枚となる。これだけ書けば出来のいい作品は幾らでも生み出されて来ることであろう。とにかく乱れ撃ちして、一刻も早く作家デビューしなければならない。

 小説を毎日せっせと書いていると、小説の良し悪しというのが実に良く解るようになった。作家ができることは、その作品の半分までで、残りの部分は出来のいい出版社が担う物なのである。小説も恋愛と同じで、運命の出会いみたいな物がないと、名作というのはこの世に誕生してこないのかもしれない。

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